
ジムニーに185/85R16のタイヤを履かせると、たしかに見た目はかっこよくなりますし、オフロード性能も少し上がるかもしれません。ですが実はこのサイズ、初心者には少しクセが強いカスタムで、街乗りメインの人にはデメリットのほうが目立ちます。
特に、「とりあえず見た目重視でタイヤを変えたい」という方には要注意。185/85R16には燃費悪化やスピードメーター誤差、車検非対応のリスクなどがあり、“知らずに履くと後悔する”可能性があるサイズなんです。
そもそもジムニー(JB64など)の純正タイヤサイズは175/80R16です。これに対して、185/85R16は以下のような違いがあります:
項目 | 純正(175/80R16) | 185/85R16 |
タイヤ幅 | 約175mm | 約185mm(+10mm) |
外径 | 約686mm | 約743mm(+57mm) |
重さ | 軽め | 重め(銘柄によるが+1〜3kg) |
このサイズアップにより、以下のような影響が出てきます。
① 燃費が落ちる
185/85R16はタイヤの外径が大きくなる分、タイヤの回転数が減ります。一見すると「回転が少ないから燃費が良くなるんじゃ?」と思われがちですが、実際には逆。タイヤが重くなるぶんエンジンにかかる負荷が大きくなるので、特に街乗りでは燃費が悪化します。
実際にJB64でこのタイヤを履いた人の中には、リッター1~2kmの燃費低下を感じたという報告も。軽自動車でこの差は無視できません。
② 加速が鈍くなる
タイヤが大きく・重くなることで、加速時に車が“もっさり”感じるようになります。とくに信号の多い市街地では、出足のもたつきがストレスになることも。エンジンパワーが限られるジムニーだからこそ、この差ははっきりと現れます。
③ スピードメーター誤差
外径が大きくなることで、スピードメーターの表示と実際の速度にズレが生じます。たとえば、メーター読みで60km/hでも、実際には65km/h以上出ている場合もあり、知らずにスピード違反…なんて可能性も。
④ ハンドルが重くなる
幅が広く・重いタイヤは、ハンドル操作にも影響します。たとえば駐車時や狭い道での切り返しなど、「なんか重いな…」と感じることが増えるかもしれません。
⑤ 車検非対応の可能性
外径が約57mmも増えるということは、車体からタイヤがはみ出す、速度計が基準から外れるなどの理由で、車検に通らないリスクがあります。実際に「ディーラー車検でNG」「民間車検場でアウト」なんて話も。
もちろんオーバーフェンダーなどで対応することは可能ですが、そのぶんカスタム費用もかさみます。
⑥ タイヤの価格が高い・選べる種類が少ない
185/85R16はジムニー用としては人気ですが、市場全体ではまだまだマイナーなサイズです。そのため以下のような不都合があります:
- 価格が純正より高い(1本あたり1,500円〜3,000円高いことも)
- 銘柄が少なく、好きなメーカーが選べない
- 取り寄せ対応のショップが多い(即日交換が難しい)
SNSやブログで見つけた、185/85R16に履き替えたジムニーオーナーのリアルな声を紹介します。
▶︎ ケース1:燃費が激減して後悔
「見た目はめちゃくちゃ好みだったけど、リッター15km走ってたのが13kmに。毎日の通勤で考えると、けっこう痛い出費でした…」
▶︎ ケース2:加速のもっさり感が気になる
「とくに坂道がキツい。前はスイスイだったのに、今は2速でも粘る感じがある。街乗りメインの人にはおすすめできないかも」
▶︎ ケース3:車検前に純正に戻す羽目に
「陸運局ではじかれました。オーバーフェンダーもなしだったし、メーター誤差も出てたので。今は純正で普段乗って、キャンプのときだけ交換してます」

*ネガティブな感想が多いように感じましたが、ジムニーは元々の燃費があまり良くないので仕方ないのかも?
185/85R16の魅力は確かにあります。とくに、
- ゴツい見た目でジムニーがさらにカッコよくなる
- 車高がわずかに上がって悪路走破性も向上
- カスタム感が一気に出る
といった面では、多くのオーナーを惹きつけています。
でもその一方で、
- 燃費悪化
メーター誤差
- 車検非対応
- 加速性能の低下
- タイヤ代や工賃の増加
といった見えにくいコストと不便さがあるのも事実です。
初めてジムニーに乗る方、まだカスタムに慣れていない方は、まずは純正サイズや175/85R16あたりで様子を見るのがおすすめです。
そのうえで、
- よく行く道が悪路中心か?
- 年間走行距離は?
- 車検や整備は自分で対応できるか?
など、ライフスタイルと合わせて判断することが大切です。
「最初は見た目だけで『このサイズしかない!』って思ったけど、実際は維持コストや乗り心地も大事だなって痛感しました。まずは純正で楽しんでみて、次の一歩として185/85R16を選ぶのが、長く楽しむコツかもしれませんね!」
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